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たばこと塩の博物館に聞いた! あまりにも長いたばこの歴史・その④

『CAPNOS』でも取り上げている通り、近年のたばこシーンは加熱式たばこ、電子たばこといったデバイスの誕生で、新たな時代を迎えています。

まさに転換期と言っても良いかもしれない今、改めてたばこの歴史を振り返るべく、東京スカイツリーにほど近い場所にあるたばこと塩の博物館を訪ねました。

世界および日本のたばこにまつわる尋常ではない量の貴重な展示を拝見させていただきながら、さらに同館の学芸部長・鎮目良文(しずめ・よしふみ)さんに、あまりに長いたばこの歴史について全5回にわたって話をお聞きします。

第4回の今回は、終戦間際と戦後の日本のたばこを取り巻いた状況について話を聞きました。

↑たばこと塩の博物館

かつて専売品だった、たばこと塩の歴史と文化をテーマに1978年に設立された博物館です。

長い歴史を持つたばこ、人類と深い関わりを持ってきた塩について様々な展示を行なっています。

また、不定期での特別展もあり、常に新しい発見を得られるのも同館の魅力です。

  • 住所……東京都墨田区横川1-16-3
  • 電話……03-3622-8801
  • 開館時間……当面の間、11~17時(16時30分入館締切)
  • 休館日……月曜日(月曜日が祝日、振替休日の場合は直後の平日)および年末年始
  • 料金……大人・大学生(個人)=100円、満65歳以上(個人・要証明書)=50円、小・中・高校生(個人)=50円
  • WEBサイト……https://www.tabashio.jp/index.html

日本初のフィルター付きたばこ・ホープ誕生

ーー第二次世界大戦末期、生産量は著しく減ったとはいえ、絶対にたばこが吸えない状況ではなかったのが意外ですね。

鎮目良文学芸部長(以下、鎮目) 本当に限られた場面、人しか吸えなかったと思いますが、専売制という枠組みの中ですから、国としてもなんとかしてたばこを作ろうと考えていたようです。

やがて、昭和20年8月に戦争が終わった後、空襲を受けたばこ工場を復興させながら、国は改めてたばこの生産・増量を目指していきます。

やはり国としては税収を見込める貴重な財源の一つですので、力を入れて復興を目指したようです。

 

ーー戦争直後、例えばGHQから、「それはいかんぞ」「たばこの管理は我々が引き継ぐ」というような話はなかったのでしょうか?

鎮目 日本における「たばこの専売制度」に対しては、GHQからも様々な意見があったそうですが、様々な議論が交わされた結果「専売自体は維持する。

その代わり、それまでの大蔵省専売局ではなく、日本専売公社という団体が引き継ぐ」ということになりました。

この後、昭和30年代に入り、日本初のフィルター付きたばことしてホープが販売され、その後にハイライト、さらに昭和40年代にセブンスター、昭和50年代にマイルドセブン(現在のメビウス)といった銘柄が登場しました。

↑日本初のフィルター付きたばことして登場したホープ

↑「世界一の販売量」を誇ったハイライト

↑たばこと塩の博物館の展示スペースには、昭和のたばこ店を再現したスペースが

↑こちらではセブンスター、マイルドセブンほか、昭和に誕生したたばこがズラリと並んでいます

チャコールフィルター付きアメリカンブレンドとして登場したマイルド・セブン

ーー戦後に開発・製造されたこれらのたばこの特徴的なのはどんなところですか?

鎮目 日本で初めてセブンスターに採用された「チャコールフィルター」は特徴的だと思います。

チャコールフィルターというのは、フィルターに活性炭を混ぜたもので、たばこに独特の喫味を加えつつも日本人の嗜好に合ったようで、以降、世界的に見ても類を見ないほど、日本のたばこ市場ではチャコールフィルター付きシガレットが増えていくことになります。

また、アメリカで好まれていた軽い喫味のアメリカンブレンドも、日本ではチェリーに初めて採用され人気を博しました。

これらは戦前までの日本のたばこにはなかったものです。

さらに、この2つの良いところを組み合わせて作られたのがマイルドセブンです。

今ではメビウスに名を変えていますが、チャコールフィルター付きのアメリカンブランドのシガレットとして、今日まで人気たばこの一つとなっています。

↑たばこと塩の博物館に展示されていた往年のたばこ店の写真。このたばこ店ではマイルドセブンとキャビンをかなり推していたことが伝わってきます

昭和60年に民営化され誕生した日本たばこ産業(JT)

ーーそして、昭和60年には専売制が廃止され、日本たばこ産業(JT)が誕生します。

鎮目 日本の高度経済成長を経て、ある意味ではこの時期に経済発展の終焉を迎えたわけですが、その際にアメリカより「対貿易摩擦の不均等」を強く指摘されることになります。

「牛肉、オレンジとかの市場を開放せよ」とアメリカに圧力をかけられた時代ですが、この一つにシガレットもありました。

世界的に見れば、シガレットそのものは明治時代からすでにグローバル化していたわけで、海外から見れば随分遅れて映ることは確かでした。

そこで、昭和60年、当時の中曽根内閣によって「官から民へ」のような大掛かりな行財政改革が行われました。

これによって日本専売公社、電電公社、国鉄が民営化されて、昭和60年に専売制ではない民営のたばこメーカー・日本たばこ産業(JT)が設立されたというわけです。

↑たばこと塩の博物館では、長い日本のたばこの歴史を深くわかりやすく展示しています。ぜひ一度見学に行かれてみてください

次回は、民営化になったたばこと、現在のたばこ市場について話をお聞きします。お楽しみに!

次記事:たばこと塩の博物館に聞いた! あまりにも長いたばこの歴史・その⑤【最終回】

 

▶︎ 取材記事リンク

松田義人
松田義人(まつだ・よしひと) ヘビースモーカーで「タバコなら加熱式、電子、紙巻きなんでも来い」の編集者・ライター。一番好きなタバコは台湾の「新楽園」という銘柄。

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